にわにわしてるブログ

その時遊んでるゲームの話とかします

【雑記】拝啓、向日葵畑の君たちへ

きみよ、歩みを止めるな。

やっとここまでたどり着いたと安心して、後ろを振り向くな。

 

伝わる人にだけ伝われば良い。これはそんな感謝の手紙

 

 夢の果て、列車から降りこのコスモス畑にたどり着いて気付けば3回目の冬が来た。あの時、私は一人列車から降りることを選んだ。まだ一緒に旅をしたいと望んでくれた友は今もきっと果てしなく続く路を進んでいるのだろう。

 

 私が一人乗り進めていると思い上がっていた列車は、どうしているだろうか。あの日、ふと感じた数多の汽笛は今もどこかで人々を運んでいるようだ。列車に乗った人々を、列車自体の行方を、この瞳で、この手で、直接感じ取る事はもう叶わない。

 

 けれど時々、列車の汽笛がまるで届けと言わんばかりに大きく大きくこのコスモス畑まで鳴り響く事がある。それは喜びの便りなのだろうか。はたまた悲しみの便りなのだろうか。残念ながら私には汽笛の音から察することしか出来ない。しかし、それでも汽笛は鳴り響く。その中にはもしかしたら、私と同じように列車を降りた人もいるのだろう。こことは違う新しい場所を目指した人もいるのだろう。

 

 冬の終わり、凍てつくもどこか優しい風が吹いた。北だろうか、西だろうか。どうやらそちら側から吹いたらしい。ふと気が向いてそちらの様子を見に行く。どこまでも続く花畑を歩いていくと、月が照り輝く夜空の下、美しい光景を見つけた。色とりどりのアネモネの花だ。青、白、赤、様々な色のアネモネがこれでもかと咲き誇っている。

 

 アネモネの花畑へはどれだけ歩みを進めても近づけない。そこで私は悟ったのだ。これはきっと、あの列車を乗り進めた先にある世界なのだと。ならば仕方ない。この花畑の存在を胸にまた己が終着点へ戻ろう。気付けばもう夜は更けて澄み渡った朝焼けの中悠々と雲がたなびいている。足取り軽く終の棲家へ戻ると、足元には一輪、サボテンの花が咲いていた。

 

 

 理想さえも越えていけ。憧れの先へ到達する力を君たちは持っている。私もまた歩み続けよう。この花畑はまだまだ広いのだから。